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◇◇平成19年書き込み分◇◇
目次
米価下落の真犯人は誰か(11月16日)
巨額詐欺事件は防止可能だ(10月28日)
ミャンマーは何処へ行く?(9月30日)
政局の変転は世襲政治家のせいでは?(9月17日)
バイオエネルギーのこと(7月1日)
笑止!ふるさと納税論争(5月25日)
公務員改革論議の真贋(3月25日)
「マグロが食卓から消える日」では済まない(1月21日)
(11月16日書き込み)
(米価下落の真犯人は誰か)
先般の参議院選挙のビックリ仰天の結果は、農政にも大きな影響をもたらしています。先日、自民党と政府は緊急に米価下落対策を取りまとめましたが、私にはどうも気になることがあります。それは米価下落の真犯人について全くの誤解に基づいていると思われるからです。
最近の米価下落の真犯人は誰か。それは(今の規模での)過剰作付けではありません。
生産者団体の皆さん方の中には、今もって「生産調整を達成すれば、米価は下がらない筈」、「近年の米価低落の真犯人は過剰作付けだから、国は行財政の両面から支援を強めるべきだ」という考えが根強いようです。
今回の自民党・政府の緊急取りまとめは、、34万トン(うち23万トンは本年度過剰作付け分)の備蓄積増しを含む44万トンの市場隔離をするということですが、この措置の前提として、過剰作付け真犯人説に立っているように見えます。
かつて数量だけで需要と供給、そして価格水準を説明できた時代の考えが今もって残っていることに私は驚いています。しかしながら、 コメを巡る市場経済の変化を考慮しないで済む筈はありません。
なお、今回の措置にはなかなか難しい側面があります。大量の備蓄を政府が持っているということ自体が市場価格を冷やしますし、これを放出するときは価格低落は必至です。(もっとも、主食用ではなく、飼料用などとして放出するのであれば、このような事態は避けられますが、逆に膨大な財政負担を伴いますから、なかなか実施は難しいでしょう。)
さて、前置きが長くなりましたが、過剰作付け真犯人説は見当違いだと思います。食糧管理法が廃止され、食糧法になり、そして販売業者登録制度もなくなり、その結果大規模量販店等の米の仕入れ量は桁違いに大きくなりました。しかも、この十数年、食品デフレの時代、「安物指向」が極端に強くなりました。大規模量販店コンビニ業者、給食業者等の仕入担当者は少しでも安いものを仕入れようとして卸業者の尻を叩きます。なにしろ、市場価格を示すきちんとした指標がありません。センターの価格もその様な目では見られていませんから。その結果、これらの店舗では聞いたことも見たこともないような価格でお米が売られています。
米価下落の真犯人は、上述のような大規模量販店等ですが、このような大規模量販店の行為をただ責めるだけでは問題解決にはつながらないと思います。今は生産者団体や販売業者が販売戦略を大胆に切り替える時です。
こんなことをしてどうでしょうか。
@生産者団体が先頭に立って大規模量販店の各店舗に少し割高の「地 域特産品のコメ」(〇〇県産□□米ではありません)を置くよう働きかけ る(野菜などで実証済みですが。)
A農協や生産者団体は独自のフランド(〇〇県産□□米ではありません) での販売を進める
B業務用は勿論のこと、胚芽精米、発芽玄米、雑穀米、機能性米に適し たコメ生産を拡大する
C米の輸出を拡大する(特定の銘柄の米の輸出は数量はそれほどでなく とも需給を引き締める効果がある)
いずれにしても、「そもそも消費拡大の責任は国だ」とか、「うちは〇〇県産□□米これ一本で行く」とか、いっている時代ではなくなったということです。
なお、全くの私見ですが、関連して、生産者団体の中に農家直売を敵視する傾向があるように見えますが、これは如何なものでしょうか。農家直売ものの価格は結構高く、米価水準の引上げに貢献しているとさえ云えますし、販売して初めて生産の魅力を知ったという生産者の方々の話も聞こえますから。
それにしても、生産者が自分の判断で生産(数量、銘柄)を決めるようになる状態、つまり関係者がよく使う「コメ作りの本来あるべき姿」を生み出すためには、現在のみならず先々の市場価格の動向を示す適当な指標がないことが致命的欠陥だとする先般亡くなられた識者の指摘を今思い出しています。
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(10月28日書き込み)
(巨額詐欺事件は防止可能だ)
このところテロ特措法の後始末、アメリカ艦への給油量報告ごまかし事件、とんでもない防衛省前事務次官のスキャンダル等々、我が国の防衛問題が賑やかに取り沙汰されています。正確な軍事問題の知識無しでの報道、扇動的な報道ですから、危なっかしい限りですが。
これらの報道の蔭で、あの円天問題の報道がなくなりました。でも、今も確実に被害者が増えています。そういえば、少し前の「近未来通信」事件でも、やはり友人が引っかかっていました。
巨額詐欺事件の被害者は全国に及んでいます。
この2年間の巨額詐欺事件の被害状況(摘発月、被害金額、被害者数)を並べますと、次のようになります。
| 円天(L&G)事件 | 19年10月 | 1,000億円? | 5万人 |
| リッチランド | 19年1月 | 537億円 | 1.3万人 |
| 近未来通信 | 18年12月 | 600億円 | 4千人 |
| ジェスティオン・プリヴェ・ジャポン | 18年10月 | 320億円 | 1.6千人 |
なんと大した額ですね。
被害者の多くは、中高年の男女で、低金利の時代で、これからの余生を送るため大事に持っていた虎の子が実にうまく騙されて巻き上げられました。
冷静に考えれば、「1口5万円を支払えば、3年後に10万円を返却する」、「1口10万円を支払えば、3ヶ月毎に9%(月利3%)の高配当が得られる」、「10万円以上出資すれば、同額の円天が得られ、毎年円天市場でこれを使える」など、経済的に成り立つはずはない。(国債の金利が1%とか1.5%とかいった水準ですからね。)これが言葉巧みに説得されて金を出してしまうようです。
私の考える防止策は、二つ。
先ず、マスコミの勇気ある早め早めの報道。これがなければ到底被害拡大を防ぐことは出来ません。でも、当今のマスコミ、自他共に認めてきた「社会の木鐸」の役割を果たすことが出来るかな?。
二つめは、行政組織を整備強化(例えば国民生活センター)してこれら巨額詐欺事件の端緒の早期発見、早期事情聴取、早期国民への警告、早期摘発につなぐこと。このための必要な法制の整備を行うことです。
ともかく、騙そうという者から「ビジネスだから業務内容は明かせない。参加者は喜んでいる。」と云われ、マスコミ関係者も行政担当者もそれで話はお終いにしては駄目。被害者がやられた〜といっているだけでなく、もしこれが原因で自死に及んでいるかもしれません。私には食品偽装事件よりも巨額詐欺事件の方が心配なのです。
政治・行政が一体となって、「事前規制緩和、事後罰則強化」から脱して巨額詐欺事件に立ち向かう仕組みを作ることです。行政への国民の信頼性が地に落ちている現在、この辺で国民の財産を守るための行政側の積極的な姿勢を期待することは無理ではないと思うこの頃です。
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(9月30日書き込み)
(ミャンマーは何処へ行く?)
10年一昔といいますが、人は確実に変わりますね。国だって、10年も経ったら、その変貌ぶりは大変なものですが、ミャンマーは異なります。外から見ると変わっていないのです。
私がミャンマーを訪れたのは平成8年12月。ミャンマー政府関係者に日本の農業政策の変遷を講義にいったのです。英語での講義は苦労しましたが、それはさておき、40名ほどの課長クラスの方が対象で、しっかりと聞いてもらいました。
ミャンマーは人口5,300万人、国土面積は日本の1.8倍という堂々たるものものですが、一人当たりのGDPは200ドル強と近隣諸国に比べても低いもので、10年前とほとんど変わっていません。
何故ミャンマーはこの10年変わらなかったのでしょうか。
10年前訪れたのは、軍事政権が市場経済を採り入れる決心をしたので、そのための準備としての勉強にお付き合うためのものでした。その頃はベトナムと比べてどちらが経済発展するかといったら、ミャンマーの方ではないかと日本からの講師団は思っていたのです。
なにしろ、英語が国土の隅々まで通ずるのですから。
それに世界で最も親日国の一つです。イギリスからの独立に当たって日本が大いに肩入れし、建国の英雄アウンサン将軍(アウンサンスーチーさんの父)やその後の政権を担当した方々が建国時の同志(「30人の志士」と呼ばれています)でしたから。
ところが社会主義政権が崩壊、軍事政権が誕生、1990年(平成2年)の総選挙での野党勝利の結果を軍事政権が認めない、英米諸国が反発、日本も追随、軍事政権がさらに硬化、そして今まで続く。こんなところでしょう。
今の世界の一大常識は、選挙結果を認めないのは駄目だということですね。
ところで、我が国は、そうはいってもミャンマーを大切にし、欧米諸国が反発しないよう細心の工夫をしながら国つくりへの援助をしていましたが、私の訪問時にはそれもネタ切れになりつつありました。それでも、大農業国ミャンマーのため無償援助で作った灌漑技術センターの運営費を支援し、灌漑技術のみならず、人作りに多大の貢献をしていたのが印象的でした。
世界中の開発途上国が変貌を遂げているこの時代に変わらない国、ポテンシャルはおおいになる国、ミャンマーは、これからも変わらないのでしょうか。最近の流血騒ぎのニュースが流れる度に大いに気になります。
改めて為政者の責任は誠に重大だと感じます。
私が「近未来の興隆国」と信じたミャンマー、何処へ行く?
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(9月17日書き込み)
(政局の変転は世襲政治家のせいでは?)
7月末からの政局の変転は近年にない凄いものでしたね。
参議院選挙での自民党の大敗、参議院における第一党となった民主党の存在、第2次安倍内閣の発足、そして安倍総理の突然の退陣表明。
「出処進退」は政治家だけでなく、実業家だって、問われるところですが、今回の安倍総理の退陣表明は思慮深さは見られず、マスコミは一斉に「放り上げ退陣」。なんとも脆いものですね。
今政界は世襲政治家が横行しています。
今回総理の座を争う福田康夫衆議院議員は元総理福田赳夫氏のご子息、麻生太郎幹事長は元総理の吉田茂氏の孫といった具合で、「世襲政治家でない方を捜すのは一苦労」というのは皮肉な言辞を弄する政治評論家の話だけではありません。
「政治を家業にしてはいけない」と喝破したは、尊敬する元財務大臣の塩川正十郎先生でした。
でも、選挙の実態は、世襲政治家が圧倒的な有利です。○○後援会の名のもと、一族郎党が存在し、そのうえ情緒的に血統を重んじる選挙民が大勢いるのですから、当選後も政治家として安定。才能のある者はとんとん拍子に頭角を現します。でもこのような方々は、本当に国難時を乗り切れるのでしょうか。
一方、創業者の政治家は初当選のときは勿論のこと、その後も当選を続けるのは至難の業で、油断をすると足下をすくわれがちです。選挙資金で苦労する、大した出自でもないのに議員になったら急に頭が高くなったと批判される、挙げ句の果てにスキャンダルまみれになる方も多く見られ、政治的に卓見を持ち、優秀な頭脳を持ち、ずば抜けた行動力を持っていても、これを活かしきれない方が多数おいでになります。
安倍総理の悲劇は、世襲政治家の中でも最も世襲政治家として政界に登場し、10年そこらで総理の座まで上り詰める過程で、自分を鍛えることが少なかったこと、思想は口に出せても、自分の行動を他人の眼で冷静に見つめることが出来なかったのでしょう。
いい政治家を選ぶことは国民の最も大切な責任である筈ですが、我が国では肝心の国民の間にこのような気持がありません。奇妙ですが、事実で、残念至極。
民主党は、日本の政治を変えるためには、次の総選挙で衆議院第一党になることが必要だといっていますが、小沢さん然り、鳩山さん然りで、やはり世襲政治家が主導する政治でしょうから、実際はこれまでとあまり変らない、かえって選挙だけを考えた、マスコミを煽動する政治でしょう。
本当に国民のための政治を確立するためには、英国に学ぶべきです。各政党が中央で候補者を指名するのではなく、英国式に選挙区の支部組織が指名権を有すること、せめて世襲政治家は親の選挙区ではない選挙区で指名権を求めることとすべきです。
民主政治の根幹は国民による政治。だから中央ではなく地方組織の候補者指名が重んじられるべきで、郵政改革のとき、自民党本部が行った郵政改革反対議員つぶしのための「刺客」派遣など論外です。
今回の安倍総理の退陣劇は国際的にも我が国政治の未熟さを白日の下にさらしましたが、この政治の未熟さを助長しているのが、今の衆議院議員候補者指名の仕組みです。
政治家の皆さんはこの事実に気づいている筈ですが、・・・。
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(7月1日書き込み)
(バイオエネルギーのこと)
今各方面で大いに関心を持たれているのがバイオエネルギーですね。
気をつけてバイオエネルギーの報道を整理してみると、最も多く登場するのが「バイオエタノール」。酒と同じように穀類や糖類を発酵させ、蒸留して生産するエタノールで、これはガソリン代替燃料。
一方、「バイオディーゼル燃料(BDF)」というものもあり、これは菜種油、
大豆油、パームオイルなどの油脂を処理して作るもので軽油代替燃料。
特にバイオエタノールについては、アメリカやブラジルで既に数年前から
ブームになっており、「農地の油田化」が進み、バイオエタノール工場が大盛況だとのこと。
また、EUでも小麦、大麦原料のエタノール生産が進行中とのこと。
世界最大のトウモロコシ輸出国アメリカでは生産量の3割がバイオエタノール用になるとのことで、コーンベルト地帯の農地価格が上昇、トウモロコシ
の国際価格が上昇。これで我が国の飼料価格や一部の食料品価格が上昇中。
さあ、大変だとの報道が紙面を賑わせています。
そこでバイオエネルギーに関する話題を思いつくままに並べて見ると,
こんなことになります。
○国際需給・価格面
・国際穀物需給はどのように変化するのか。
・国際穀物価格はどこまで上昇するのか。
・食糧用穀物の生産が優先されるとのルールを確立するべき。
・トウモロコシ、小麦の輸入開発途上国の国際収支を悪化させ、
経済発展を阻害するのはないか。
○日本の畜産物価格、食料品価格への影響はどの程度か。
○日本の農林業との間系
・日本の農業、特に膨大な耕作放棄田を抱え、稲わらの処理に悩む
我が国稲作にとっては都合の良い環境が出てきたのではないか。
・間伐材の処理や林地残材の処理も進むのではないか。
・農林業は「燃料産業」になるか。
○地球温暖化防止との関係
・エタノールは本当に化石燃料よりも大気に良いのか。(生産過程
で大量の化石燃料を使用。新エネルギー創出は1ガロン当たり2
0%。温室効果ガスの排出量はガソリンに比べて15%少ないだ
け。輸送にエネルギーを使うことを看過しがちとする報道)
・地球環境保全に役立つ程数量的に見てバイオエタノールの進展が
期待できるのか。
・東南アジア諸国ではパームオイルからのBDF生産拡大のため
森林伐採が進んでいるのではないか。
○コストはどの程度になるのか。普及するには如何なる税制措置や
助成措置が必要か。
○我が国のエネルギー自給力の向上にどの程度寄与するのか。
○エタノールよりもメタノールの方が優位性があるのはないか。
まあ、実にいろいろな現象、問題が報道されています。
いずれにしても、我が国ではこのバイオエネルギーが大々的に報道
されたのは昨年松岡農水大臣の強烈な提案とこれを受けた安倍総理の
ガソリン1割代替の指示、本年1月のブッシュ米国大統領の一般教書
演説が端緒。米国が2,300万キロリットル、ブラジルが1,600
万キロリットルに対して、我が国の実績は30キロリットル。
国際的にはバイオエネルギー戦国時代がから始まっているのに、
我が国は今からスタート。周回遅れの状況。
このテーマは幅が広く、奥が深いので、地域活性化研究会としても近日セミナーを開催して、関係者の理解を深めるつもりです。
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(5月25日書き込み)
(笑止!ふるさと納税論争)
このところマスコミに「ふるさと納税」構想が賑やかです。
納税者が個人住民税の一部を自分の出身地に納めることにすべきだとするこの構想(仮に1割をふるさと納税に回すと、1兆2千億円が移動)は、財源難に悩む地方公共団体にとって身を乗り出すほど魅力的だと感じているようだし、東京都を始めとする大都市を抱える府県は、大反対。
この構想の発案者が誰か筆者は知らないが、菅総務大臣や世耕首相補佐官、平岡衆議院議員が我こそは発案者といっているとマスコミは報道。
税の専門家は「地方税には行政サービスを受ける住民が税を負担するという受益者負担原則に反する」としているが、選挙の前でもあり、なかなかかまびすしい。
与党の幹部は「お世話になった地域に恩返しをしたいという気持ちは大切にしたい。そうなるとふるさと納税だけでなく、寄付金の議論(寄付金税制の住民税控除拡大)も出てくる」との発言。
一方、民主党の小沢代表は「選挙が近づいたから言葉だけは耳障りの良いことを云っている」と批判。
国民新党の亀井代表代行は「これは(参議院選挙を意識した)毛針だ」。
自治体関係者には耐えられないいらだちがあるようです。議論は収斂するどころか、拡散しています。
確かに地方税収の偏在は著しく、地域間格差の是正は必要です。
与党サイドではこの問題は選挙前でもあり、もう少し様子を見ようとしているようだし、総務省は6月にも研究会を設けて年末の税制改正までに間に合うよう基本方針をまとめたい意向と報道されているし、また、6月にまとめられる「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に盛り込みたいとする動きもあるようです。
このふるさと納税構想については、大前研一氏の主宰するふるさと塾の財務道州制実現行動プランでは、「所得税を納めるようになった個人を育てたのは、個人のふるさとである。ふるさとなくして個人の現在の姿は無い。人間形成、技能習得の大切な時期を過ごしたふるさとに、恩返しの意味で所得税の一定割合を納税することは、理に適ったことであり、日本人の精神構造にも合致すると思われる」としています。
ふるさと納税を進める側の理屈は、端的に言えば、「ふるさとには、個人に対する人材育成コストがかかっている」ことです。
この構想を否定する論理は、前述の専門家の「受益者負担原則に反する」との主張の外、いくつも見受けられますが、これらの底流には、「大都市には生活する者にとって魅力がある。地方の人はこの魅力に惹かれて勝手に都市に来たのではないのか。今住んでいるところを大切にすべきではないのかませてやっているのだ」とするふるさとへのおもいをなくしてしまった人の感情があります。私には理解出来ませんが。
いずれにしても、十分な議論無くしでのこの提言は罪作りだと感じます。
筆者にとっての最大の疑問は、そもそも自治体間の税収格差をどう是正するのかという議論がない中でこの構想について侃々諤々することは、本質論を見失うもとになることです。この議論を力強くリードする人の姿が見えません。
小手先の議論ばかり出ている現状は笑止と言うべきでしょう。
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(3月25日書き込み)
(公務員改革論議の真贋)
このところ公務員改革、特に各省庁の天下り斡旋権限の取り上げが問題になっていますね。しかしながら、どうも実態無視の議論、重箱の隅をつつく議論になっているような気がします。官僚OBで、かつて国会に議席をおいた私としては、大いに懸念しています。
先ず第一に、各省庁の天下り斡旋の実態をこの問題を論議している方々が誰も知らないことです。知らないで議論をしているのは愚。渡辺大臣はこれから有識者会議を立ち上げ、実態の勉強をするとのこと。これでは、官僚群からは馬鹿にされるか、呆れ果てられるか、いち早く官界から逃げ出す気分を加速させるか、 といったことになります。
この国の統治は、行政におんぶしています。
国会は立法機関とされているが、現実は行政府提案の法律案を審議するだけに終わっています。つまり、立法に必要な情報は行政側に集まり、最終的な判断も実際には行政側が行っています。
このような実態は変えなければなりませんが、肝心の国会議員側にはその気がほとんどありません。仕方がないと思っているのです。今やるべきは、議会側の立法能力の向上策です。
議会側に実質的な立法能力がないまま行政の質を落とせば良いとするかの如き議論は賢明ではないと思います。
第二に、内閣府に置くとされる人材バンク構想だって、何をするのか。
うまくワークするとはとても思えません。
官僚群から民間が欲しがる人材を供給するというなら、既に活動中の民間の人材会社の方が機動的で、良いはず。自分のキャリアーを活かすことの出来る職場を望む官僚は、人事当局から首切り宣言された後この人材バンクに駆け込むのではなく、その前に民間の人材会社に密かに行っているはずですから。
ワークする仕組みを考え出すことがこの論議の最も肝心なところですが、大変困難な検討や作業を要するのではないでしょうか。急ぎは禁物です。
第三に、この話は、唐突な感じがします。選挙前ということで、無理に話題つくりをしていると国民には受け取られているのではないでしょうか。
各省庁が自分が監督している公益法人や縁の深い業界団体に幹部を送り、受け入れ側は補助金や各種の便宜を期待する、このような癒着を断つというのが今回の公務員改革のねらいのようですが、この問題の根源は、各省庁の政策評価に政治家側が力を入れていいないことにあります。これは意欲さえあれば現行の仕組みでも出来ることです。今からでも遅くはありませんから、やるべきです。
ただ、根本は、選挙に強いだけの政治家ではなく、政策評価が出来る政治家が国会の議席を占める仕組みの構築こそ今急ぐべきです。
官僚の天下り反対は国民受けする有力な選挙スローガンですが、この各省庁からの斡旋権限の取り上げ問題は、実態の把握が先決。せめてワークする仕組みを考えて欲しいものです。それでなくとも、見方によっては、上述のような基本問題に取り組む意欲無しを隠蔽するための政治家側からの問題提起になっているのですから。
今回は過激な主張でしたが、読者諸賢は如何考えますか。
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(1月21日書き込み)
(「マグロが食卓から消える日」では済まない)
昨年末のテレビで目立つのは、大間のマグロ、そしてマグロの国際的な争奪戦の模様でした。
「マグロが食卓から消える日」とはよくいったものです。私の故郷、宮城県の気仙沼は我が国有数の遠洋マグロ延縄漁業の基地で、この10年に100隻近いまぐろ船が消えています。理由は、魚価安、労働費上昇、資源悪化、燃費高騰等々が次々と押し寄せて経営難の結果で、この惨状から回復の努力中ではあっても目処無しの状況。
それなのにマスコミの関心事は、マグロの消費が日本以外の国で増えて、日本に入らなくなった心配。日本の買い負けです。
この「買い負け」ですが、決してマグロだけでなく、水産界だけでも、すり身やさけなどに既に出ています。
ここまでがマスコミの関心事。資源問題の入り口で終わりです。
でも、さらに目を転じると、天然資源、特に石油や天然ガス、さらには穀物だって、中国やインド、中東諸国等との競り合いが始まっています。
どうやら日本がカネにあかせて世界中の資源を買いあさることが出来なくなったことを明示しています。
日本は、マグロを始め水産資源については、かねて資源管理の重要性を世界中に呼びかけるとともに、資源管理をベースにした漁獲規制(TAC、TAE等)も実施されていますし、エネルギーの効率的利用は世界中の模範となっています。持たざるものの必要に迫られた工夫の結果といったところでしょうか。
最近、このような情勢からふたたび食料自給率引き上げ論が再燃し始めました。いいことだと思いますよ。ただ、選挙目当ての話だったり、先走り評論家の一過性の話では駄目。
日豪EPA交渉を急ぐ理由としても、豪の持つ資源の安定確保が強いのですが、ただ豪側のレポートには日本の食料安定確保にも役立つと記されていて、しばし考えさせられました。
豪からいわれるまでもなく我が国の食料自給力は弱いですが、解決策として、「大規模経営体の担い手の確保」は必要欠くべからざる手法だとして、「集落経営体つくり」はどうでしょうか。
「短期間に集落を一つの経営体にしよう」は、補助金だけでは形は作れるとしても中身は伴わないでしょう。やはり、先ずは集落の実態に根ざし、集落の人々の実感にあった運動、例えば、集落ぐるみの耕作放棄地解消運動や農作業受託活動促進運動を格段に強めるといった手法を採るべきと考えます。時間がかかりますが。
また、海の話だって、排他的経済水域が国土面積の12倍で、世界第6位の我が国、この水域の徹底的な活用を進めたら面白いでしょうね。
ただ、今のシステムは不十分。特に沿岸水域は漁業権でがんじがらめ、しかもその管理をする漁協には資源を増やす力が決定的に足りません。民の技術と資金の活用が可能な新しいシステムの確立が望まれます。
新年早々話がマグロからどんどん離れてしまいましたが、ようは農林水産資源は、化石資源とは全く異なり、うまく管理しながら使えばいつまでも利用でき、増えさえするのですから、。
21世紀の我が国の生きる途はこれですよ。
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